学校いじめ防止基本方針

 
本校では、松阪市いじめ防止基本方針に基づいて、「いじめの防止」
等を推進するため、今まで本校が取り組んできていることや今後大切にしていく取り組
みについてまとめるとともに、「重大事態」等に対処するために、「第五小学校いじめ防
止基本方針」を策定し、毎年見直しを行っていきます。

第1章 いじめの防止に関する本校の基本的な考え方

1.基本理念
いじめは重大な人権侵害
 本校は、いじめが他者の人権を奪う行為であり、すべての人がもつ「自己実現の権利」を将来にわたって奪うという意味で、「差別」と同様、重大な人権侵害としてとらえています。
本校の人権問題に対する取り組み
 本校は、部落問題をはじめとする人権問題を自分事としてとらえ、反差別の行動(生き方)ができるよう、そして、子どもたちが豊かな生き方を自分で切り開いていけるように取り組みを進めています。目標として、次の3つを掲げています。
・ 自分や地域に誇りをもち、自他を尊重する心を育む。
・ 豊かな感性と想像力をもって、なかまとつながる力をつける。
・ 自らの未来を切り拓いていくために、困難や不合理なことに立ち向かい、課題を解決していこうとする態度と行動力を身につける。
 この目標に向かって、主に2つの取り組みを進めています。
・ ひとりの子を大切にすることから、すべての子を大切にします。
・ 「放っておかないなかま」を作っていける力を身につけることをめざします。
いじめを防止する取り組み
 したがって、本校は、人権同和教育実践をより強力に推し進めることによって、いじめを防止します。この認識を全教職員共通の基本理念とし、あわせて学校を取り巻く家庭・地域に呼びかけ、協力していじめを根絶するために、ここに「第五小学校いじめ防止基本方針」を定めます。

2.いじめの定義
「いじめ」とは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。
〔いじめ防止対策推進法 2013年11月〕
具体的ないじめの態様は、以下のようなものがある。
・ 冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる
・ 仲間はずし、集団による無視をされる
・ 軽くぶつかられたり、遊ぶふりをして叩かれたり、蹴られたりする
・ ひどくぶつかられたり、叩かれたり、蹴られたりする
・ 金品をたかられる
・ 金品を隠されたり、盗まれたり、壊されたり、捨てられたりする
・ 嫌なことや恥ずかしいこと、危険なことをされたり、させられたりする
・ パソコンや携帯電話等で、誹謗中傷や嫌なことをされる等
〔いじめの防止等のための基本的な方針 文部科学省 2013年10月〕
いじめ問題をめぐる基本認識
① いじめは、どの児童にも、どの学級にも、どの学校にも起こり得る。
② いじめは、いじめられていると思う児童がいる限り存在する。
③ いじめられる側にも問題があるという見方は誤りである。
④ いじめは、いじめを受けた児童の教育を受ける権利を著しく侵害する。
⑤ いじめは人権侵害であり、人として決して許される行為ではない。してよいいじめなどない。
⑥ いじめは、ときにその生命又は身体に重大な危険を生じさせるおそれがある。
⑦ いじめはその行為の態様により、暴行・恐喝・強要等の刑罰法規に抵触する。
⑧ 教職員の言動が原因になって起こるいじめが存在する。
⑨ いじめが起きたら、その学級だけの問題にしてはならない。学校全体に課題がある。
⑩ いじめは未然に防止することができる。いじめは重大事態になる前に解決できる。

第2章 学校におけるいじめの防止等の対策のための組織

1.名称 第五小学校いじめ防止対策委員会
2.構成
学校長、教頭、人権同和教育推進担当、各学年代表、生活指導担当、
特別支援教育コーディネーター、養護教諭
※ 必要に応じて、特別委員として学校長が参加を依頼する。
情報教育担当、スクールカウンセラー、ハートケア相談員、PTA役員、学校評議員 学校支援課 他
3.任務
・ 学校いじめ防止基本方針の策定及び改訂
・ いじめの未然防止に関わる年間計画の企画作成と進捗状況のチェック
・ 教職員の資質向上のための校内研修の企画作成と進捗状況のチェック
・ いじめ事案に対する初期対応
・ いじめ事案に応じた調査・分析・対応方針の決定・中期および後期対応
・ いじめ事案への対応に関する評価・検証・提言
・ 基本方針や年間計画・教職員研修に関する評価・検証・提言

第3章 学校におけるいじめの防止等の対策のための具体的な取り組み

1.未然防止
(1)互いを認め合える人間関係づくり
・ 全校集会や学級会、ときわ班(縦割り、異学年班)活動を通して、児童自らが、人と関わることの喜びや大切さに気づき、互いに関わりながら絆づくりを進める。
・ 道徳の時間に、「みんなの道徳」等を活用し、人権尊重の精神や思いやりの心を育てる。
・ 情報モラル教育を推進し、携帯電話やインターネットの正しい利用法や危険性についての理解を深めるとともに、相手の思いやる気持ちを育てる。
(2)自己肯定感や自己有用感の育成
・ 道徳や総合的な学習の時間を通して、児童の自己肯定感や自己有用感を育成する。
・ わかる・できる授業の実践に努め、児童一人ひとりが成就感や充実感をもてる授業の実践に努める。
(3)家庭や地域との連携
・ 情報モラル教育の講演会を開催し、保護者と児童が「インターネットの利用」や「携帯電話の使用」のルール作りを親子で考える機会とする。
・ 「学校いじめ防止基本方針」を学校ホームページで公開し、いじめの未然防止、早期発見・早期解決における学校・家庭・地域それぞれの役割についての理解を図る。
・ 学校だより、学年だより、地区懇談会や授業参観等で、本校の人権教育の取り組みを紹介し、家庭と連携し、児童の健全育成に努める。

2.早期発見
(1)日常的な取り組み
・ 教職員による日常的な児童との対話や観察、連絡帳等による児童の変化やサインに気づくための指導をする。そのため、日記等を活用していく。
・ 教員間で常に児童の情報交換を行う。
(2)いじめについてのアンケート調査の実施
・ 児童を対象に年2回実施する。なお、必要に応じて臨時で実施する。
(3)学級満足度調査(Q-U調査)の実施
・ 児童に、「学級満足度調査(Q-U)調査」を年2回実施し、一人ひとりの状況及び学校の状況を把握する。また、調査結果は、学年、学校全体で検討する。
(4)教育相談の実施
・ 毎週月曜日、隔週金曜日に、ハートケア相談員による相談室を開設する。また、相談員が校内を巡回し、児童の様子を把握する。
・ 月2回、スクールカウンセラーによる相談室を開設する。必要に応じて、久保中学校にて開設された相談室を活用する。
(5)保護者、地域との連携
・ 保護者や地域の人々など児童を見守っている大人との情報交換に努め、日頃から学校以外の機関でも児童が相談したり、通報したりできるよう働きかけ、早期発見に努める。

3.早期対応
(1)被害・通報児童の安全確保
・ いじめを発見・通報・相談を受けた場合には、特定の教職員で抱え込まず、速やかに組織的に対応する。被害児童を守り通すとともに、教育的配慮のもと、毅然とした態度で加害児童を指導する。また、いじめを知らせてきた児童の安全も確保する。
・ 状況によっては、スクールカウンセラー等の専門家を被害児童等のケアにあてる。
(2)教職員の情報共有・組織対応
・ 教員がいつも情報共有できるように、記録を残しておく。
(3)保護者への連絡と支援・助言
・ いじめを受けた子どもの保護者に、学校の取り組みについての情報を伝えるとともに、保護者からは、家庭での様子や友だち関係についての情報を聞き取り、指導に生かす。
(4)関係機関・専門機関との連携
・ 学校内だけでなく、各種団体や専門家とケース会議をもつなど、連携・協力して解決にあたる。
・ 必要に応じて、松阪市教育委員会事務局学校支援課等の関係機関と連携して、いじめ問題の解決に図る。
・ 犯罪行為として取り扱われるべきと認められる事案については、教育委員会に連絡を取り、警察と相談して対処する。
・ 児童の生命、身体または財産に重大な被害が生じるおそれのあるときは、直ちに警察に通報し、適切な援助を求める。
(5)インターネット等を介して行われるいじめの対策
・ いじめと確認されるメール、書き込み、画像、チェーンメールなどを発見したときは、早急に削除依頼等を行うとともに、被害児童のケアおよび加害児童の指導を行う。
(6)再発防止の取り組み
・ 同じ児童が被害にあういじめが再発したり、ターゲットを変えていじめが続いたりすることを防ぐために、一度解決したと思われる場合でも、十分に注意して継続的な観察を行ったり、必要な指導を行ったりする。
・ 事案が解決した時点で、対応の仕方を振り返り、見直しをするとともに二度と繰り返すことのないよう、未然防止対策の強化に取り組む。

4.重大事態への対処
・ 重大事態が発生した場合、松阪市教育委員会に速やかに報告する。
・ 教育委員会と協議の上、専門家を加えた当該事案に対処する組織を設置する。
・ 上記組織により、事実関係を明確にするための調査を実施する。
・ いじめを受けた児童及びその保護者に情報を適切に提供する。
・ 調査結果をふまえ、必要な措置を講じる。

5.その他
・ 教職員一人ひとりが、いじめに対する考え方や感じ方を見つめ直し、共通した理解を図るために、研修を行い、資質向上に努める。
・ 子ども理解のスキルアップを図るために、校内外を問わず、日々研鑽に努め、PDCAサイクルによるいじめ問題対策の取り組みの改善を行っていく。